登山ツアーに一人で参加するのはおすすめ!富士山御来光ツアーを体験

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山に登ってみたいのだけれど、初めてで不安だなぁ、という方には「登山ツアー」をオススメします。

この記事は、みんなでワイワイやりたい人向けというよりは、一人で登山ってチョット不安だけど、でも実際は自分勝手に旅するのがたのしいわな、というわたしのような天邪鬼のみなさんに対する、ご報告となります。

私が「富士山御来光ツアー」に参加してきた実体験をもとに、登山ツアーの魅力や富士山の山登りの感想を紹介します。

 

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ツアーの「指示通り」で準備万端だ!

平日に連休がとれるタイミングができ、せっかくの機会なので少し特別なことをしてみたいとインターネットを検索していたら、某高速バス会社が募集していた「富士山御来光ツアー」を見つけたのでした。

富士山に登ってみたいという夢、その強さはみなさんまちまちでしょうが、誰しもが心の片隅にお持ちのものではないでしょうか??

しかし実際に上ってみようという人は少ない。

みんなテレビで誰かタレントがのぼっているのを見てよろこんでいるだけです。わたしはのぼってやりますよ、ええ!という謎の勢いで、ツアーに参加することにしたのです。

 

富士山御来光ツアーの内容

このツアーを選んだ理由は、参加資格のところに「健康な65歳までの方」と書いてあったからです。「65歳」がのぼれるなら、わたしなら余裕です(たぶん)。インターネットのサイトで申し込み、カードでツアー代金を支払いました。

すると直後のこと。富士山に登るための装備リスト一覧がメールで送られてきたのでした。

わたしが富士山に登る日付は、もうなにがあろうとツアーの「この日」と決まっています。

ですから、この日の気温を考えると晴れならこの格好!

そこに雨が降る場合を考えて(ウインドブレーカーにもなるから絶対に)合羽を買ってこい!

靴は絶対に登山靴だ!登山靴を買いに行くときは当日履く予定の靴下を履いて靴屋に行け!

あとヘッドライトもってこい!

ツアーは全員で成功させる!

迷惑かけるな!

といった内容のかなりわかりやすい指示メールが届きます。メールは実際にはこんな言葉遣いではありませんでしたが(笑)。

 

しかし、なんど読んでもこのように鬼軍曹が命令しているとしか思えない内容に、ぞくぞくわくわくしてきます。初心者用に必要不可欠な準備を細かく教えてくれるので、みなさんも逆らわずに準備をするとよいと思います。

わたしはこれをよく聞いたからこそ、その後の夏休み、それからシルバーウイークと、一人でハイキングをしてみる時に「あの要領だな」と準備することができたので、最初の登山体験としての「ツアー」は、ほんとうにオススメ出来るのです。

 

ツアーの「現地集合」は活用できる!!

さて、「富士山御来光ツアー」には、2つの料金設定がありました。

わたしが仕事の休みの日、「富士山御来光ツアー」の「出発集合場所」は「名古屋駅」からのみとなっており、ここから朝みんなでバスにのって登山口まで行き、夕方からいよいよ登りはじめる予定らしいのです。

それが富士山頂で翌朝「御来光」を見るためのタイムスケジュール。しかしわたしはあいにく、名古屋の住人ではありません。しかしどうしてもこの日にツアーに参加したい私。

 

そこで、そんな人のために、「登山口合流プラン」というのがあるのです。富士山に登るための4つの登山ルートのうちのひとつ、「富士スバルライン5合目」というところで、15時に落ち合いましょうと。そのころになったら電話かけますから出てくださいねと、そういうプランをわたしは使いました。

バス旅行1日分の参加費が少ないぶんだけ割安ですが、その分自家用車で登山口に向かい、登山の間の駐車料金がかかる、といったデメリットもあります。

しかしツアーの不自由を感じつつも登山の安全だけは確保したいわたしには、ちょうどよい設定でした。今回のわたしのように「出発集合場所が不便」という場合にも活用できる方法です。

 

現地集合の不安?

ひとつ気になっていたのは、朝から一台のバスにのってチームでやってくる人々に、いきなり混ざって浮かないかなぁ、けっこうわたしコミュ障なんですが……という問題。

しかし、この点はまったく問題ありませんでした。富士山の登山ツアーに参加する人々はみんな、わたしと同じように、登山経験のほとんどない人々ばかりで、全員が全員、このツアーを利用して富士山のぼったるで、という人の集まり。

朝から同じバスに乗ってきたくらいで、そこに3年B組的な団結心が芽生えるわけもなく、それぞれがそれぞれに、ただ列になって富士山をのぼるだけの「ツアー」なのです。

 

現地集合は私だけ

この日、「現地集合」の人間は私だけでした。集合時間の10分くらい前になり、博物館みたいなところで登山道についての展示をふらふらと見ていると、ツアーの添乗員さんから電話がかかってきました。

「名古屋発のバスが渋滞に巻き込まれており、登山口の到着がたぶん1時間は遅れると思いますので、待っていてください。ツアーの時間はかなり余裕で組んでありますから、登れないなんてことにはなりません、待っていてください。」

この電話を受けたときわたしは、いったいなぜ待たねばならんのだ、もう勝手に一人でのぼってやろうか、と思わなかったわけではありません。

なぜなら、わたしは自分で「富士スバルライン」は渋滞するらしいから、15時の集合に遅れないためにはこれくらいの時間で、と計算をしてココにたどりつき、値段のバカ高いとんかつ定食を食べて時間をつぶしていたというのに……。

 

合流するときにたぶん自己紹介の挨拶くらいさせられるだろうから、この渋滞のこと、なんて言ってやろうか、と思って待ち続け、ついに合流したのは16時半を過ぎていました。

しかし、お疲れの表情で名古屋からのバスを降りてきたみなさんは、添乗員のしつけどおりに、ツアーのしるしである黄色いバンダナをリュックにしばりつけ、準備のできた人からさっそく歩き始めていきました。

バスから一番最後に降りてきた人がもう一人の添乗員であり、不安そうなわたしの目を見て「お待たせいたしました!!」。黄色いバンダナを渡され、それを肩紐にくくると、「さあ行きましょう!」と出発するのでした。やっぱりこれ「ツアー」である必要は……? と思いつつも、まぁとりあえず出発です。

 

いざ富士山!「高山病」で脱落者が出る……

しかし、歩いているうちに、「ツアーのありがたみ」みたいなものも、じんわりと染みてきます。富士登山道の道幅は狭いのでしぜんと列ができ、ずっと同じ人に挟まれて歩いていくことになりますので、休憩などを含めて、だいたい同じ人と固まることになり、コミュ障でも退屈しません(笑)。

私は来月が64歳の誕生日だという男性とその奥様、またわたしにバンダナを渡してくれた添乗員の女性とずっと話しながら登山をしました。

30年以上前に北アルプスの山小屋で知り合ったという登山が趣味の老夫妻は、富士山には登ったことがないままに体力の衰えを感じはじめ、ツアーならと参加したのだという話は、いまでも一言一句思い出せるほど印象深いもの。

添乗員さんは「4日に一度、富士山に登るのが仕事」って考えてみれば当たり前なんでしょうが、それはすごいなあと思いました。

 

高山病にならないために

わたしは一人で登山口で待ってる間のことを話しました。もう勝手にのぼり始めようと思ったと言うと、添乗員さんが言うには、他の山ならまだしも、富士山に登るときに一番大事なのは「ペース配分」なんだという話。

――なんとなくさっきからおしゃべりしながら歩いて、ときどき「休憩」って言われて休んでるだけと思っているでしょうけど、実は先頭の添乗員はつねにタイムみて、時間あたりの標高アップを計算してるんです。これ失敗すると富士山では「高山病」になります。

なんだこんな簡単じゃんってどんどんどんどんペース考えずのぼっていくと、いつのまにか「高山病」になってる、それが「富士山」です。――それを聞いて、考えなしに突っ走るのが好きなわたしは、「ツアーでよかったかも!!」、とかなり真剣に思いはじめました。

 

山小屋到着

夜の10時前くらい、8合目にある山小屋のひとつに入りました。出発は真夜中の12時半ですから、わずか数時間の滞在となりますが、この休憩も初心者には欠かせない高山病対策だということです。

一年の半分は雪が降ってのぼれない富士山のハイシーズンは短いので、富士山の山小屋は常に満室です。個人で富士登山をしようとした場合、この山小屋の確保が難しいことも問題。

 

富士登山のスケジュールを考えると、ふつうの旅館のように夕方ついて朝まで寝るというような使い方はありえないので、たかだか数時間の休憩のための山小屋ならば、別に山小屋でなくてもてきとうに登山道で休憩すればいいや、ということにする観光客、に限って登山病でどうしようもなくなる、というのも添乗員さんから聞いた話です。

山小屋できちんと休憩できること、これも「ツアー」のメリットとなります。

 

睡眠のスペースにぎっちぎちで詰め込まれて、2時間ほどの睡眠をとり、起こされるとみんなで山小屋のカレーライスを食べながら、このあとのスケジュールを添乗員さんから聞きます。

と、このときになって、ここまでわたしと話をしながらのぼってきた、もうひとりの添乗員さんがいなくなっていることに気づき、そのことを老夫妻と話していました。それに関する説明は、出発直前にありました。

――いまの時点で「なんともない」みなさんは、あとはいっしょにがんばって頂上を目指すだけですが、睡眠の前の時点でおひとり、頭痛がとてもひどく「高山病」のため下山をされた方がいます。もう一人の添乗員が付き添って安全に下山を進めていますが、みなさんはその方のぶんまで頑張っていきましょう!!

 

富士山頂は残念ながら大雨でしたが……

富士山頂に到着したのは午前3時くらいだったと思います。事前に情報をつかんだ添乗員さんから途中の休憩で、合羽を着るように指示を受けていたので、濡れることはありませんでしたが、山頂近くからはじまった雨はいつまでも止むことがありませんでした。

大雨の中、頂上でツアー全員の点呼があり、そろったところで拍手をしてよろこんだことは、なかなかよい思い出となりました。

雨が降っていると山頂の山小屋も大混雑となりますが、そんななかでスムースに席を確保してもらい暖をとることができることも「ツアー」の大きな利点です。

 

念願の御来光は?

富士登山をする人は、ツアーに限らず、たいていはこのようなスケジュールでのぼって、最終的には頂上で日の出の時間を迎えます。

「御来光」が目的なのです。

ですから、山頂の天気がどうか、この先待てば「御来光」が見えるのかどうか、といった最新の気象情報の入手、下山を安全に楽におこなうための出発時間、「御来光」をあきらめるタイミングなども、数少ない経験のなかでわたしたち素人が判断できることには限りがあり、ツアーの添乗員さんの指示通りに動くことには、多くのメリットが感じられました。

 

わずかな望みに期待して…

私たちは4時半から5時半までのあいだ待てば一瞬だけ太陽が見えるかもしれない、見えない可能性も高いので、雨に打たれながら待つのがつらい人は山小屋居残り、「可能性にかける人は行くぞッ!」と添乗員さんに言われました。

そして、全員がその可能性に賭けて、東の方角に開けた下山道の出発地点に、雨の中1時間、一列にならんでしゃがんで待っていましたが、目の前の白い霧が晴れることはありませんでした。

まあ、これもよい思い出です……。

 

下山は自由行動!

山頂から30分くらいだったでしょうか、歩いて下ったところで、きっぱり雨が止み、一気に快晴のすがすがしい空気となりました。添乗員さんによれば、山頂は現在も激しい雨、ということでした。この地点で、今回のツアーは「解散」となりました。

 

下山のペースは人それぞれ

実際には、名古屋から同じバスで来たみなさんは、もう一度同じバスにのり、どこかの温泉で汗を流してからバスで名古屋に帰るらしいのです。

それにしても下山のペースは、速く歩いたほうが楽な人もいれば、ゆっくり休憩していくほうがよい人もいて、とくに速く降りたからといって病気になることもないため、下山のあいだは自由行動となるのです。

現地集合であるわたしに関しては、きちんと安全に下山できたことを確認するため、「富士スバルライン5合目」の売店の窓に、このツアーの参加者名簿が貼ってあるとこがあるので、じぶんの名前に必ず丸をつけるようにしてください、という指示をもらって、ここで完全に解散になりました。

何度もいろいろ話をした御夫妻には軽く挨拶をし、また登山しながらちらちらと目が合ってきたみなさんには会釈をしたら、わたしは駆け下りるように富士山を下っていきました。

 

下山にかけた時間は3時間

あれだけ時間をかけてのぼった富士山でしたが、朝の8時半くらいにはスタート地点に戻ってきていました。下山にかけた時間は3時間くらいということになるでしょうか。このペースでのぼろうとすると、「高山病」になるんだなあ、ということを思いつつ、名簿を見つけて丸をつけました。

わたしが参加したツアー以外の名簿も、その売店の窓にはたくさん貼ってあり、どのツアーもおそらくは同じように、下山の行程のみに自由行動を取り入れているようでした。

 

まとめ

ということで、今回は実体験の思い出話で、「富士登山ツアー」をご紹介しました。

結論としては、山登りに慣れていない人が一人で参加するのに、「登山ツアー」は「ちょうどいい感じ」です。

がちがちに拘束されるわけではなく、かといって放置されることもなく、きわめて安全に登山ができ、その後の自由な旅のモデルケースにもなるため、「はじめての登山」として、一度参加してみるのがいいのではないでしょうか!!

(おわり)

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