「メガネは顔の一部です」とは、昔々の眼鏡屋さんのテレビコマーシャルのうたの歌詞ですが、これはよく言ったもので、いつもと違うメガネをかけている人を見ると、ほんとうにメガネひとつで印象がかわるものですよね。
『メガネ男子』という本が出版されて、その言葉が肯定的に世間に広まったのは、もう15年近く前、2005年のことでした。それ以来「メガネ男子」たちは、目が悪いからメガネをかける、ということをやめたのです。
それからというもの、われわれ「メガネ男子」は、次にかけるべきメガネはどれなのか、自分に似合うメガネはどれなのか、どのメガネをかけたらモテるのか……といったことを、常に考えてきました。
この記事は、そんな15年近くに及ぶ「メガネ男子」たちの苦悩を、わたしの職場の後輩(メガネ男子・25歳)がいとも簡単に解決してしまったことをご報告する、という問題解決永久保存版の記事です!!
職場で評判の「メガネ男子」
彼のことは、わたしの職場の全員が、その名も「メガネくん」と呼んでいるのです。
彼は入社以来ずっと、月に一回くらいのペースでメガネを新しくして、職場に出勤してきます。「メガネなんてある程度の価格で手に入りますから」、とメガネくんは特に値段を気にすることもないようです。
そして、ただ古いメガネのレンズを抜いてしまって新しいフレームにつけかえたり、また骨董市のようなところで古いメガネを買ってきてそれにレンズをいれたり、ということはするそうで、メガネくんの家がメガネであふれることはないのだそうです。
それはともかく、毎月毎月メガネくんがかけてくるメガネは、いちいちメガネくんに似合いすぎなのです。それはもう不思議なほど似合っており、メガネ自体のデザインはさまざまで、挑戦的なスタイルでもベーシックな感じのものでも、とにかく彼にはメガネが似合うため、社内で評判となっていました。
その結果として彼は、名前がメガネくんとなったのでした。メガネくんは自分でもメガネが好きだといいます。好きこそものの上手なれ、「さかなくん」みたいなものなのでしょうか。
これは先月、会社の懇親会でのことです。メガネくんは懇親会専用の、赤いフレームの丸メガネをかばんに忍ばせて出勤しており、仕事をしていたときの黒縁とは全くちがう印象で懇親会会場にあらわれ、会場入りしたメガネくんの、派手なメガネがきちんとファッションとして成立しているようすには、会場から歓声が上がるほどでした。
お酒が進んだころ、わたしの斜め前にいたメガネくんのところに、総務部長がやってきてメガネくんの横に割り込むように座って、言うのでした。「ねえメガネくん、いつもどうやってメガネ選んでるの?」
その質問を聞いた瞬間、会場の空気が一変したのです。つまりわたしたちは、メガネくんにはメガネがあまりに似合いすぎているがゆえに、メガネくんにメガネの選び方を習おうなどということを考えた人は、これまで誰もいなかったのです。
全員が話をやめて、酔っ払いが集まった居酒屋がシーンと、あのとき静まり返りました。「え?そんな注目されても…」と照れ笑いを浮かべるメガネくん。その言葉は、単純なことのようで、ああもうそれしか正解ないわ、と思わざるを得ないような、「まさしくまぎれもない正解」だったのです。
「選んでないですよ! 選んでもらってるんです!」
眼鏡は選んでもらうもの!?
それがメガネくんの回答でした。つまりメガネくんが一人でメガネを買いにいくことは、全くないということなのです。正確には、とても仲のよいメガネ屋さんが一軒あり、そこには一人で行くが、他の場所でメガネを買うときは、必ず誰かと一緒に行き、その人のゴーサインが出たものだけを買うのだと、メガネくんは言いました。
「それってカノジョさんっすか?」とメガネくんの後輩にあたる若者がニヤけて質問すると、メガネくんは「いやカノジョとそんなんじゃなくても、友達でも誰でもいいわけ。そうだ、こんどお前いっしょにメガネ買いにいこうぜ。オレのメガネ選んでよ!」。「ムリムリムリ、ムリに決まってんじゃないすか。そんな先輩みたいなセンスないっす」という言葉にも、「大丈夫だって、似合うか似合わないか聞くだけだから」とメガネくんは笑っていました。
メガネくんいわく、自分がメガネをかけてるところを確認する瞬間なんて、一日に何分もありません。だとすれば自分のメガネを選ぶのは、自分ではなく「他人」であるほうが望ましいはずだと。
正確には、モノとして魅力を感じるデザインのものをまず自分で選ぶのですが、それをかけてみたら鏡を見たりはせず、一緒に来た人に「どう?」と聞き、その反応だけで決めているのだそうです。「だって鏡を見たって、新しいメガネはレンズ入ってなくて、よく見えないじゃないですか?」
顔のかたちに対して似合うメガネの形がある、という話がよくありますが……という質問に対するメガネくんの回答はこうでした。
「たしかにメガネのレンズの形が、顔の特定の要素を強調したりしなかったり、ということがあるような気がしますけど……そのメガネに影響を受ける顔の要素、っていうのが、自分の「チャームポイント」なのか「欠点」なのか、そんなことを決めるのも自分じゃなくて他人だと思うんですよね。だから絶対に、メガネは他人に選んでもらうに限りますよ!!」
眼鏡を試着できるアプリも登場
ところが最近では、メガネをスマホアプリで試着できるようになっているのです。
他人に選んでもらうのはやっぱり…という人もいるかもしれません。そんな人におすすめなアプリが、メガネなどのアイウェアブランド・JINS(ジンズ)が展開する「JINS」アプリです。
このアプリを使えば、直接お店に行かなくてもスマホの画面でメガネを試着したり、商品の在庫を確認したりできます。メガネの保証書や度数情報などもアプリに保存できるので、調節・新調したいと思った時でもすぐ対応できてとても便利なのです。
その他にも、「iGLASSES」や「眼鏡カメラ」といったいろいろなアプリがあるので、眼鏡を手軽に試着してみたいと思う人は試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、本日は弊社のメガネ男子代表「メガネくん」に、メガネの選び方を習うの巻でした。
ちなみに、現在メガネくんが毎日会社にかけて来ているメガネは、懇親会でとつぜん計画が持ち上がった、あの後輩が選んだメガネらしいのですが、これがまた、ほんとにアイツが選んだのか、というくらいにメガネくんに似合っているのです。
今ではスマホアプリで眼鏡を試着購入、保証書や度数情報まで管理出来るものもありますが、私はまだ実際に試着してから購入したいと思います。しかし、誰かに選んでもらうという発想はありませんでした。
みなさんも次のメガネは、誰かに選んでもらってはどうでしょう?そんなテキトーな、ということなのですが、これがまた、絶対に今より似合うメガネなんですよ!!
(おわり)
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